介護の知識と技術~体温

体温に関する知識



体温とは
体温とは正確にいえば体の内部の温度のことをいいます。体の内部といっても全部同じ温度ではなく、器官や部位によって温度差があります。

消化管や腹部臓器などは新陳代謝が激しく、熱をたくさん出しますが、放熱されないので高温になります。肝臓などは38度またはそれ以上といわれています。これらは深部体温(中枢温)と呼ばれています。対して、筋肉や皮膚は熱の生産量が少なく、また放熱されるので温度は低くなります。これを表在体温(末梢温度)といいます。



体温の測り方
体温の測定方法
腋の下・口腔・直腸で温度を測ります。体温計は始めに急上昇し、次第になだらかになり、一定温度(飽和)を示すようになります。この飽和に達した温度を測ることが体温の測定です。測定部位によって飽和に達する時間が異なるので下記の測定時間を目安にしてください。

腋の下(測定時間=10分)
家庭で体温を測る場合、一番多いのが腋の下でしょう。測定前に腋の下を空気にさらしていると皮膚温が下がってしまい、正確な温度を測るのに時間がかかってしまうので注意してください。最近は短時間で測定できるものも販売されています。

口腔(測定時間=5分)
腋の下で測るより短い時間で済みますが、測定前に冷たい飲み物などをとっていると、口のなかの温度が下がっているので注意してください。

直腸(測定時間=3分)
直腸は常に閉鎖状態にあり、外気の影響をあまり受けないので、最も真の体温を反映していると言えます。ただ、家庭で直腸温を測るのは清潔面からも抵抗があり、現状は手術の時とか新生児の体温を測るときにしか使われていません。


1日の体温の変化
体温は1日中一定ではなく、就寝時午前2時~6時に最低値となり、午後3時から8時が最高値となります。


高齢者の体温を測るときの注意点
高齢者は皮膚の熱伝導度が低くなるので、体温は一般的に低く出ます。ただ、体内温度は、皮膚温と比較して低下が少ないので、測定時間を長くすることで正確な温度を測ることが可能です。



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