介護の知識と技術~感染症の予防

高齢者の感染症の予防と対策




感染症
人は高齢化とともに免疫機能が低下し、感染症のリスクが高まります。特に体の抵抗力が弱くなっている高齢者にとって、感染症は命に関わる疾患となるので軽く見てはいけません。


主な感染症
呼吸器系感染症
気管支炎、肺炎、膿胸、肺結核など。

尿路感染症
頻尿、排尿時痛、発熱、尿閉など。重症になると腎不全、敗血症性ショックが起こる。

MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染症
肺炎、敗血症、腸炎、髄膜炎、胆管炎など。


感染症が発症する3要因
1.感染源

2.感染経路

3.受ける側の抵抗力

したがって感染症の予防はこの3つの要因への対応と言うことになります。介護者は感染源や感染経路にならないよう注意が必要です。



感染症の予防
高齢者も介護者も感染症を防ぐ基本は手洗いと消毒です。飲食前には必ず手を洗う習慣をつけましょう。ドラックストアーなどで売っている速乾性の消毒液なども便利です。尿路感染症を防ぐには、下着や尿取りパッドなどをこまめに取りかえます。
手を洗う

口腔ケアも感染症の予防として重要です。そして病原菌に対して抵抗力をつけるため、バランスよく栄養を摂取し免疫力を高めることも大切です。


インフルエンザ対策
高齢者がインフルエンザを発症すると、重症化する場合があるので注意が必要です。可能な人はインフルエンザの予防接種を受けておきましょう。予防接種をしてもインフルエンザの発症を完全に防ぐことはできませんが、重症化を防ぐことはできます。*65歳以上の方は予防接種に公的補助を受けられます。

介護者も外でインフルエンザに感染することもあるでしょう。インフルエンザに感染したら、うつしてしまう危険があるので高齢者に接触してはいけません。そうなると介護もできなくなってしまいます。できれば介護者も予防接種を受けておくことをお勧めします。

*予防接種の後、まれに副反応が起こることがあるので、不安のある方は事前に医師に相談して受けて下さい。



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