認知症介護~接し方(日常生活でよくあるケース)

日常生活でよくあるケース




食事をしたのに「していない」と言われたら
認知症では、食事の内容だけでなく、食事をしたこと自体を忘れてしまうことがあります。これは認知症の典型的な症状の一つです。その時、「さっき食べたばかりでしょ」などと言っても、本人は食べないと言い張り納得しません。

食事確認のマークボード具体的な解決法としては、次の食事時間が迫っているときは「今したくをしいる途中」とか「もう少し待って」とか言って時間を稼ぎます。次の食事まで時間があり、どうしても食べたいという時は、果物などのおやつでごまかすのも方法です。毎日のように「食べていない」と頻繁に訴える場合は、壁などに紙を貼り、朝・昼・晩の食事を済ませた後に、本人と一緒に印しを付けると納得することがあります。ボードに磁石などを使って確認するのもいいでしょう。それでも納得しない場合は、一回の食事の量を減らし、二回に分ける方法もあります。食べたおかずとかは覚えていないので、同じ料理で構いません。ただし夏場は食中毒を起こさないよう、保存法には注意して下さい。


同じ事を何度も聞かれたら
認知症の人は、よく同じ事を何度も聞いてくることがあります。その時、「さっき言ったでしょ」とか「同じ事ばかり聞かないで」などと言うと、本人は同じ事を聞いいている自覚はないので、不安になったり、無視されていると思い傷つき混乱します。介護者は鬱陶しいと思っても、その都度答えてあげて下さい。そうすることで、本人は納得し安心します。

同じ事を何度も聞くのは、忘れてしまうことが原因ですが、本人もそのことが気になっているからです。予め決まった予定などがある場合は、食事の時と同じように、カレンダーや紙などに予定を書き、本人と一緒に確認するのが有効です。



徘徊・迷子になる
徘徊が始まると介護の苦労は倍増しますが、ずっと続くわけではないので、周囲の助けも借りながら、なんとか乗り切っていきたいものです。徘徊は何か目的があって行なっていることが多く、長年会社勤めをしていた人なら、朝7時になると会社に出社すると言って出かけて行ったり、散歩や子供の送り迎えをしていた人は、その時間になると急にソワソワし出かけて行ったりします。この一定のパターンをつかめれば、徘徊のコースなども分かり、介護者もそれに合わせ対応することができます。
徘徊・迷子
見当識障害(時間や場所が分からなくなる)があると、ほんの100m先の店に買い物に行っても、帰り道が分からなくなり、結果として徘徊になってしまうこともあります。

徘徊はいくらやめるように言っても、本人は目的があるので時間になると出かけてしまいます。また、面倒、危ないからと、無理に家に閉じ込めておくような生活を強いると、ストレスが溜まり、認知症の症状を悪化させてしまうことがあるので注意が必要です。

分かっている徘徊、買い物などには家族が付き添うようにし、都合がつかない時には、ヘルパーさんやボランティアの人に頼みましょう。知らない間に出かけてしまうこともあるので、身元が分かるものを常に携帯させるようにします。携帯電話、杖などを使っている場合は住所・電話番号などを書いたものを貼っておく、服の裏地に住所や電話番号を縫いつけておくなど工夫し、近所の人にも道で見かけた時は、連絡をしてくれるように頼んでおきましょう。また、徘徊高齢者等位置探索システムを貸与してくれる市区町村もあるので問い合わせてみて下さい。



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