介護における清拭の手順とポイント
清拭の目的
清拭(せいしき)は入浴できない方にとっては、体を清潔にする唯一の方法です。入浴のように湯につかることは出来ませんが、温熱と水分を含むタオルや石鹸の効果で、身体の清潔が保たれます。入浴はエネルギーを消耗しますが、清拭は疲労感も少ないため、体力の落ちている高齢にも適用できます。また体循環も促進させるので重要なケアといえます。
清拭の手順とポイント
・洗面器にはできるだけ熱いお湯を準備しましょう。50℃ぐらい。
・疲労感を与えないよう、楽な姿勢で行ないましょう。
・保温力を高めるために、タオルは数枚重ねて用います。
・体を拭く時は一定の圧力を加えながら(痛くないか聞きながら)筋肉の走行に沿って拭きます。また、手足は末梢から中枢(指先から腕・足の付け根)へ向かって拭きます。中枢に向かって拭くということは、静脈血およびリンパの流れの沿っており、その結果、血液循環が促進されマッサージ効果も生まれるからです。関節など汚れのたまりやすい部分も丁寧に拭きましょう。
・拭いた後は必ず水分を拭き取ります。皮膚をぬれたままにしておくと、気化熱によって体温が奪われるので、バスタオルですばやく押さえ拭きします。
・清拭と合わせて床ずれ予防のため、体のマッサージを行うのも効率的です。
・清拭後、乳液などをぬって体に潤いを与えるのもいいでしょう。
・アルコールでの清拭は皮膚を乾燥させるので避けましょう。