認知症介護~妄想

妄想への対処方法



認知症における妄想
妄想とは「現実にないことを思い込んでいる」状態であり、これは認知症に特有な症状ではなく、統合失調症などの精神障害にもみられる現象です。下記で説明する、物盗られ妄想や嫉妬妄想は、認知症が比較的軽いときに起こりやすい現象で、認知症が進むとあまり起こりません。


《物盗られ妄想》
物盗られ妄想は、財布・腕時計・メガネ・指輪・通帳・キャッシュカードなどを、どこかに置き忘れたり、しまった場所を忘れたりするために起こります。自分では忘れたという自覚がないので、少し探して見つからないと、誰かが盗んだと騒ぎ始めます。
失くし物
物盗られ妄想への対処方法
物がなくなった場合、だいたい身近な人(家族)が疑われます。幾ら家族でも犯人扱いされれば気分はよくないので「自分が失くしたんでしょ」と反撃したり、盗んでないと説明しても、聞く耳を持ちません。なので、反撃や説明は無意味です。

失くした物を一緒に探すことで信頼を得る
物がなくなったと騒いでいる時は、一緒に探す姿勢を示して下さい。そうすることで興奮状態も収まりますし、信頼も得ることができます。介護者が物を見つけた時は、そのまま手渡すと「やっぱりお前か」と犯人にされてしまう恐れもあるので、見つけやすい置いてから、本人が見つけるように上手く誘導して下さい。




《嫉妬妄想》
嫉妬妄想は、自分の配偶者が外で浮気をしていると思い込みます。冷たい態度をとったり、外出が多いと、浮気をしているのではないかという妄想に発展して行きます。嫉妬妄想は、ネチネチしつこく攻撃してくることが多いので、やられた側は精神的に消耗しますが、辛抱強く対処して下さい。

嫉妬妄想への対処方法
物盗られ妄想と同様に、「くだらないことを言うな」「浮気なんかしていない」と反撃したり、話を無視したりすると、相手はますます疑いを強めます。嫉妬妄想が始まった時は、その背景になっているものを考えます。嫉妬妄想の多くは、性的な嫉妬心からくるものではなく、歳をとって心細い、最近あまり相手にされなくなったと言う、寂しさや不安感から起こることが多いので、認知症患者さんが孤独にならないよう頻繁に話しかけたり、スキンシップを取るように心がけて下さい。また、疑い深い人には、外出するときは場所や目的をあらかじめ説明し、帰宅したら出先での出来事などを話すのもいいでしょう。

妄想は治療が可能。また、いつまでも続くものではない。
認知症の妄想は精神科の治療で治せる可能性もありますし、また、いつまでも続くものではありません。妄想が始まってしまった時は、冷静にその背景になっているものを考え、まずは家族で妄想を解きほぐすよう接し方を工夫してみて下さい。



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