認知症介護の基本

認知症介護の基本~接し方



認知症~もし自分の記憶が徐々に失われていくとしたら・・
子供の頃の記憶、進学、結婚、仕事、家族との楽しい想い出など、もし自分の記憶が徐々に失われていくとしたら、それは言葉で言い表せない恐怖です。意外に認知症の症状に、最初に気づくのは本人なのです。また初期であれば自分が認知症になったのだと自覚することもできます。その時の本人の不安を想像してみて下さい。認知症の人と接する時は、自尊心を尊重し、病気の不安を少しでも和らげてあげるように接しましょう。
認知症介護の考え方


《認知症の人への接し方11》

1.叱らない、否定しないは基本
認知症の症状が進むと理解力は次第に衰えてきます。しかし、怖い・悲しい・嬉しいなどの感情はあります。傷つけるような言葉や態度は避けましょう。「なんど同じことを聞くの」、「さっき言ったでしょ」 などと叱っても、本人は同じことを尋ねたりしている自覚はありませんから、なぜ叱られたのか分からず、戸惑ってしまいます。それを繰り返すと気持ちが不安定になり症状が進んでしまうこともあるので、同じことを聞かれても、多少間違ったことを言っても、それを受け入れる寛容さが必要です。

2.ゆっくりと、穏やかな口調で話しましょう
認知症の人は、相手がなぜ怒っているのかが理解出来ないので、叱るような言い方は意味がありません。実際、叱ったつもりがなくても強い口調で言ったりすると、叱られたと思い、怯えてしまいます。

3.介護者の怒った態度や乱暴な動作も逆効果です
言葉で言わなくても、怒った顔や乱暴な動作も認知症の人を混乱させ、怯えさせてしまいます。

4.家族で共通の言葉を使いましょう
なるべく難しい表現は避け、例えば「食事をしましょう」を「ご飯にしましょう」などと統一する。

5.行動には理由がある
認知症の人は、ときに私たちから見ると理解しにくい行動をします。しかし、それを意味不明のことと無視してはいけません。大声を出しているなら、その理由が何かあるはずです。その人の立場になって理由を考えることで、解決の手がかりが見えてきます。

6.日々の記録をつけましょう
記録をつけ比較することで、体調の変化にいち早く気付くことができます。また、どのような時に何をしたかなどを記録しておけば、行動パターンが予測しやすくなります。

7.認知症の人にも役割をもってもらう
認知症の人に何らかの役割を持ってもらうことは、症状の進行を遅らせるのに役立ちます。役割は危険がなければ、本人が今までやってきたこと、好きなことなど、なんでもかまいません。その際、自分も何かの役に立っているのだという、自信を持ってもらうことが重要なので結果を求めてはいけません。


8.自宅介護の場合は事故や失火に注意しましょう
火の消し忘れなどで認知症の人を叱っても、また同じことを繰り返すので意味はありません。それより事故が起こらない環境を作る方が重要です。暖房器具などは、石油ストーブではなく、エアコンなど火を使わないタイプにしましょう。調理器具なども、できれば火を使わない電磁調理器(IHタイプ)に取り替える方が安全です。無理な場合は、できるだけ独りにしない、消火は必ず家族が確認しましょう。

9.環境を変える時は、時間をかけて少しずつ慣れてもらいましょう
認知症の人は、環境の変化がきっかけとなって症状が進んでしまうことが少なくありません。自宅の住み替えをする時は変化を緩和する工夫が必要です。グループホームでも、最初は通所介護を利用し環境や職員に慣れてから、入居に移るようにしましょう。

10.介護サービスや家族以外の人にも協力してもらいましょう
介護の専門家といわれる人達が、認知症の人と上手く接することができるのは、知識の豊富さもありますが、所詮他人だからという部分もあります。様々な思いを抱えている家族がプロのように接することができないのは当然のことです。なので、できないことは介護サービスを利用したり、家族以外の人にも協力してもらうなど、割り切ることも大切です。

感謝の気持ち
11.感謝の気持で接する
配偶者や親など大切な人が認知症になると、それを受け入れる方も大変なストレスです。認知症になる前を知っているので、認知症を受け入れなければいけないという気持ちと、もとに戻って欲しい気持ちとの葛藤でつい否定的な態度をとってしまうこともあるでしょう。ただ、言葉で言わなくても介護者の感情は態度にあらわれ、それは認知症の人にも伝わります。病気の今を否定するのは、過去も同時に否定することです。過去の楽しい想い出など「今まで有難う」という感謝の気持を心掛けて接しましょう。



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