認知症と脳の仕組み

認知症、認知機能、脳の仕組み




認知症とは
認知症とは、成人になってから起こる認知機能障害で、いったん発達した知的機能が低下し、日常生活や職業生活が徐々に困難になっていく病気です。生まれつきや子供のときに神経細胞が上手く発達しないで、認知障害が起こることがありますが、それは認知症ではなく知的障害といいます。認知症は特別な病気ではなく、世界保健機関(WHO)によると、認知症患者は世界で3560万人に上り、毎年新たに770万人が認知症と診断されています。
認知症患者
認知機能とは
認知機能とは、一言でいうと物事を判断する能力です。例えば、私たちがテレビを買い替えようとするとき、どれが性能がいいとか、どの店が安いとか、まず情報収集を行い分析します。そして最終的に決断を下すわけです。その過程には、記憶やお金を計算する能力も必要になります。近所のスーパーに買い物に行く時も、電車に乗って出かける時も、無数の分析や判断を繰り返しているのです。つまり認知機能なくしては社会生活を営むことができなくなります。

発病時期での認知症の分類
・18歳~44歳までに発症→若年期認知症

・45歳~64歳までに発症→初老期認知症

上の2つをまとめて若年性認知症ということもある。

・65歳以降に発症→認知症

増加する認知症高齢者数
厚生労働省の調査によると、認知症高齢者数は年を追うごとに増加し2025年には300万人を超えると推計されています。
認知症高齢者数推移グラフ



認知機能をつかさどる脳の仕組み
図解-脳の仕組み

脳は大きく、前頭葉(ぜんとうよう)、頭頂葉(とうちょうよう)、後頭葉(こうとうよう)、側頭葉(そくとうよう)に分けられます。

前頭葉は、もっとも高度な精神機能を司っている部位で、運動機能、意欲、感情、創造力を担っています。また老化に伴って最も早く機能低下が起こるのもこの前頭葉です。

頭頂葉は、外界の認識に関わる部位で、手足をはじめとする身体の様々な部位からの感覚情報が集まる部分です。

後頭葉は、視覚や色彩に関わる部位で、この部分に障害が起きると、目には見えていても空間認知や文字の意味が理解できなくなります。

側頭葉は、言語、記憶、聴覚に関わっている部位で、側頭葉上部に障害が起きると、音は聞こえても言葉の意味が理解できなくなります。側頭葉の内側には記憶に関わる部分があります。



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