物忘れと認知症の違いの見分け方
物忘れと認知症の違い
高齢者の物忘れは、老化による記憶力低下であり、病気ではありません。一方、認知症は病気であり、早期に適切な治療を始めないと症状が更に進んでしまいます。ただ、物忘れと認知症の初期症状は非常に似ているため、判断に困ることがあります。以下に物忘れと認知症の違いをまとめてみました。
物忘れと認知症の違い | ||
項目 | 物忘れ | 認知症 |
原因 | 加齢によるもの。 | 脳の病気。 |
進行性 | すぐには進行しない。 | 進行する。 |
物忘れの自覚 | 物忘れを自覚している。 | 物忘れを自覚しない。 |
記憶力 | 記憶力は低下。 | 記憶力の低下とともに、時間感覚や判断力も低下。 |
体験したこと | 体験したことの一部を忘れる。 | 体験したこと自体を忘れる。 |
日常生活への支障 | とくに支障はない。 | 支障が出る。 |
他の精神症状 | 他の精神症状は伴わない。 | 他の精神症状を伴うことが多い。 |
物忘れの場合は、朝食のメニューを忘れても、朝食を食べたかどうかを忘れてしまうことは稀です。また、1週間前に旅行に行ったときの一部を忘れることはあっても、旅行に行ったこと自体をすっかり忘れてしまうことは、まずありえないことです。体験したことの記憶が完全に欠落してしまっているかが、認知症の判断基準になります。